ねこママは先日、通院している脳外科で、数か月に1回の検査を受けました。
MRIや血液検査などをするのですが、今回の検査で、これまでの「物忘れ」から「MCI」と診断がつきました。
MCIは、軽度認知障害のことです。
ねこの体感的には、かなり前からMCIだと思っていたのですが…。
MCIは一般的に、「認知機能の低下はあるけれど、日常生活には大きな支障がない状態」とされています。
でも、正直に言うと、そんなことはありません。
朝食を食べたあとに、すぐまたパンを焼いて食べようとしたり、ピーナッツせんべいを一袋、あっという間に食べてしまったり。
それでも本人は、
「朝ごはんもお昼ごはんも食べさせてもらってない」
「ピーナッツせんべいなんて食べてない!」
「そんなに疑うなら、隠れて見てなさいよ!」
と、本気で言います。
これをほぼ毎日のようにやられると、家族は結構きます。
でも、普段の日常会話は、ちゃんとできていたりもするんですよね。
ただ、話したことは忘れてしまう。
それがまた、家族にはきついのです。
先生が言うには、
「この段階で止められるか、物忘れ程度に戻れるか、本当の認知症に進んでしまうかは、家族次第です。患者さんの心に寄り添って、怒るのではなく、認めて、合わせていくことが大切です」
とのこと。
ねこは、
「ああ、この先生は本当に患者さんに寄り添ってくれる先生なんだなぁ」
と思いました。
でも同時に、
「家族がやられるんだよなぁ」
とも、心の中でつぶやいてしまいました。
だって、ねこがうつ状態になった原因の大半は、すでに認知症で施設に入っているおじから毎日、何十本も入ってくる電話と、ねこママのわけのわからない言動に振り回されたことだったからです。
そして先生には、ねこパパにもMCIの検査を受けるように言ってみて、もし「嫌だ」と言ったら、MCIを疑ってみることも必要だと言われました。
確かに、ねこパパの年齢を考えれば、検査を受けたら何かしら引っかかるかもしれません。
でも今のところ、ねこママよりは全然しっかりしています。
娘から見れば、「耳が遠いくそおやじ」くらいのレベルなので、まだ大丈夫だと思っています。
……と思って、一応言ってみたら、
「絶対に嫌だ」
と言いました。
じゃあ、MCIかもしれません。
でも、両親そろってMCIになってしまったら、ねこは本当に身動きが取れなくなってしまいます。
今は、朝ごはんと昼ごはんをねこパパが作り、夜ごはんをねこが作って食べさせている状態です。
それだけでも、かなりねこママに時間を取られるようになってきました。
週3回のデイサービスの準備。
ケアマネさんとの打ち合わせ。
2か月に1回の病院めぐり。
薬の飲み忘れ防止のために、薬は目の前で飲ませる。
手足に塗る薬もある。
バスに乗って帰ってくることはできます。
でも、どこに行くのかは何度教えても忘れてしまうので、行くときは付き添わなければなりません。
「優しく寄り添ってください」
それは本当にその通りだと思います。
でも、実際にやっていると、やっぱりイラッとします。
「さっきも言ったよね!」
と、強く言ってしまうことだってあります。
そして、ねこのメンタルは削られていく。
それが自分でも、目に見えてわかります。
ねこなんて、たぶん親の介護のまだ序の口に立ったくらいなんだと思います。
それでも、50代になると、今まで見て見ぬふりをしていた親の問題が、大きく目の前に立ちはだかってくるのは事実です。
どのタイミングで、どうするのか。
ねこママは、
「ママは施設に入ってもいいのよ」
と言っています。
でも、実際に施設に入れたらどうなるのか。
そのとき、自分がどう感じるのか。
正直、まだ想像できません。
ただ、冷酷に聞こえるかもしれないけれど、ねこは、ねこの人生を第一に考えたいです。
ねこのこれからの人生を第一にしないと、ねこママやねこパパの行く末が決まってから、
「さあ、ここからねこの人生だ!」
なんて、いったいどれだけ先の話になるのか。
変な話だけれど、ねこママは2か月に1回、いろいろな病院で検査や診察を受けています。
薬もきちんと飲んでいます。
はっきり言って、ねこより健康かもしれません。
ねこより長生きするかもしれません。
悪いけれど、そこまで全部付き合えない。
本気でそう思います。
親の介護を選ぶのか。
自分のやりたいように生きるのか。
どちらを選んでも、後悔する瞬間はあると思います。
でも、
「ねこって、ちゃんと親の介護をしてえらいよね」
と言われるより、
「ねこって、自分勝手だけれど、自分の生きたいように生きたよね」
と言われるほうがいい。
人になんて言われても構いません。どうせ、ほかの人は忘れちゃうんだし、他人事なんだし。
でも、ねこの人生はねこのものです。だから、自分が納得した人生を歩んでいきたいと思っています。
そして、自分がしたことはブーメランのように自分に返ってくることもわかっています。
それでも、やっぱり、進みたい…
今日、ハンモックに揺られていました。
風は強かったけれど、それほど寒くはありませんでした。
空は曇っていたけれど、星が少し見えて、点滅しながら飛んでいく飛行機も見えました。
自分の悩みなんて、たぶん、とーっても小さいものなのかもしれません。もっともっと苦労している人はたくさんいると思います。
でも、それでも本人にとっては結構、しんどい。
もがいて、迷って、後ろ髪を引かれながら、それでも先に進んでいくのだと思います。
飛んでいく飛行機を見ながら、そんなことを思いました。
