我が家の最年長のミミちゃんは、ときどき、発作を起こすことがあります。
発作を起こすと手足をばたつかせる、失禁する、目を見開く、よだれを垂らす…などの状態になります。特にこの発作を起こしているときは意識がない状態です。
手足をばたつかせるのが一番怖くて、意識がないので、何かにぶつかったり、発作を起こした場所によっては高いところから落ちてケガをしてしまうことだってあります。
今回は、そんなミミちゃんの発作の理由と猫田がしている対処法を紹介しますね。
猫のてんかん
猫田のお友達の娘さんはてんかん持ちで、発作が起こると体が硬直して、舌を噛まないように割りばしや指に布を巻き付けて口に手を入れるなどの防止行動をしながら見守っていました。これは、35年位前の話なので、今は、きっともっと素晴らしい対処法があるのだと思いますが…
そのときは、てんかん発作って怖いなって思っただけで、その子が発作を起こすとみんなでそれなりに対処していました。てんかん自体は薬を飲めば良いみたいで、最近、その子にあったら、まだ薬は飲んでいるけれど、だいぶ落ち着いているといっていたので一安心でした。
そんなてんかん発作は、人だけでなく猫にも起こります。
そもそも、てんかんは、脳波が突然乱れて引き起こされる発作だそうで、猫の場合は人より珍しく100頭に1頭以下(1%未満)くらいの割合といわれています。
てんかんには、全体に起こる全般てんかん発作と部分的に起こる焦点性てんかん発作があります。
全般てんかん発作の症状
・全身の痙攣
・気を失い体が硬直する
・手足をバタバタさせる
・狂ったように家中を走り回る
・大きな声で鳴く
・よだれを垂らして泡を吹く
ミミちゃんの場合は、全身を痙攣させて手足をバタバタさせ、よだれを垂らすので、全般てんかん発作だと思われます。苦しそうに見えますが、意識はないようで、呼びかけにも反応せず、手足をバタバタさせてよだれや失禁をして1分以内程度で収まります。
焦点性てんかん発作は、脳の一部が興奮して起こるので、意識があり症状がさまざまになることが特徴的です。例えば、顔面が痙攣したり、体の一部が痙攣する、口をくちゃくちゃさせる、瞳孔拡大、よだれを流すような症状ですが、軽いので見逃されがちです。
今、気づいたのですが、ミミちゃんは、口をくちゃくちゃさせることもあります。特に夜寝る前ですが…
そして、焦点発作から全般発作に移行することもあるそうです。
それから、これが大事なことですが、てんかんで死んでしまうようなことはありません。しかし、24時間以内に2回以上発作が起きたり、発作の時間が5分以上続く場合は、後遺症のリスクが高まり、最悪、命を落としてしまうこともあります。
発作が起きたら、慌てず何分くらい発作の症状が出ていたかを確認することが大切です。そして、できたら、発作の状態をスマホの動画で撮影しておくこと。これは、1人の時は難しいかもしれませんが、のちに獣医師に症状を説明するときに役立ちます。
猫田は、ミミちゃんが発作を起こしたら、まずケガをしないようにバスタオルで体をホールドして、時間を見ます。このとき、意識はないと聞いていますが、ずっと、「大丈夫だよ」と声をかけ続けます。だって、人の体が最後まで機能するのが聴覚だって聞いたので、発作を起こしているミミちゃんにも聞こえているかもしれないと思うから…
でも、病院で検査をしてもらっても、発作の原因がてんかんだと断定できず、てんかん用の薬を服用しても効果がないので、ミミちゃんの場合は、てんかんではないのかもしれない…とも思っています。
そんな矢先、猫のFARSという病気があると聞きました。
猫のFARS(ネコ科動物聴覚原生反射発作)ってなに?
この病気は、2015年に「Journal of Mesicine and Sugery」という学術誌に論文として掲載されたそうで、高齢の猫は、ある種の甲高い音で発作を起こすというものです。例えば、アルミホイルのクシャクシャ丸める音、金属製のスプーンでえさのお皿をカンカン鳴らす、鍵束のチャラチャラ鳴らす音などが誘発原因だそうです。
これは、イギリスのInternational Cat Care,ICCという慈善団体が猫の異常発作の報告を一部の飼い主から寄せられ獣医神経学者らに問い合わせたことがきっかけで研究されるようになったそうです。
実は、この聴覚原生反射発作は、人間にも起こる発作で、ある特定の音を聞くと体の動きが突然停止したり、短時間の痙攣を引き起こすことがあるんだそうです。痙攣については、数分間継続することも。
これまで、猫を対象にこの発作を研究して発表されたことがなかったので、研究チームが、調査をした結果、世界中から数百通という回答が寄せられたそうです。
そして、猫96匹を対象に収集されたデータを調べ、実際に音が発作の誘因になっていることを突き止めてくれたのでした。(研究チームさん、Thank You!)
その結果、純血種、雑種関係なく、発作が見られ始める年齢は平均15歳前後で、その範囲は10歳から19歳だったのです。(まさにミミちゃん、どんぴしゃり)また、特にバーマン種の猫が特に発作を起こしやすい傾向があることもわかりました。(今、ネットでバーマンを調べてみたらビルマが原産で、優しく温和な性格から聖職者Birmanからきているともいわれているほど可愛らしい猫ちゃんでした。アメリカでも大人気だそうです)
ただ、まだこの病気は、ぶっちゃけ、名前がついて症状、対象年齢がわかった程度でしかありません。研究チームは、発作の治療方法に関する研究を継続しているので、いつか、発作を抑える薬が開発されるかもしれません。
そして、多分、ミミちゃんは、このFARSです。
ミミちゃんは、ポテチを開けるときのガザっという音や、買い物した時のビニール袋のガシャガシャさせる音、PCのキーボードをたたく音でピクっと反応することがあります。
この頻度が高くなってくると、発作を起こすことがわかりました。
猫田家のルール
多分、ミミちゃんは、FARSだろうと思うので、猫田家では、ミミちゃん用のルールがあります。
猫田家ルール
1.ポテチなどの袋を開けるときは、はさみで開ける
2.ミミちゃんの目の前でカリカリをお皿に入れない(カリカリがお皿に入る音に反応するから)
3.ミミちゃんがピクっとなったら、PCのキーボードをたたかないかミミちゃんの聞こえない場所に移動
4.缶詰を開けるときもミミちゃんがいるときは細心の注意を払う
5.とにかく、ピクっとしたら、人間はその時行っていた行動を止めてミミちゃんの様子を見る
これで、4か月ほど、発作が起きませんでした。(それまでは1~2か月に1回程度の発作が起きていました)
でも、最近、そろそろかなぁと思っていたら、やっぱり発作が起きました。
だいたい、最近はリビングで発作を起こすので、常にバスタオルを用意してすぐに包めるようにしています。
これは、猫田の主観なので、全然、正しくないかもしれませんが、ミミちゃんが反応してしまう音が脳に蓄積されていき、もうMAXとなったときに、最後の一押しでその音を聞いて発作を起こすって感じじゃないかなと思います。キャパを超えたときっていうか。
猫の様子を見ることが大切

今回は、ミミちゃんの発作のお話でしたが、結局、ミミちゃんの発作がてんかんなのかFARSなのかは不明です。病院に連れて行って検査をしてもわからず、薬もいまいちなので、今は、ミミちゃんがピクっとなったら、音に気を付けるなどの対処のみとなっています。
猫に限らず、動物を飼っていれば、何かおかしなことが起こることがあります。それは、命にかかわることかもしれません。おかしいと思ったら病院に連れて行ってあげてくださいね。
それでも、わからないときは、飼い主の勘と経験を信じるしかないです。
だって、その子のことを一番よく見て知っているのが飼い主ですから。
皆さまの大切な家族が健やかでありますように。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
ではでは。